『コールセンター/CRMデモ&コンファレンス2017 in東京』訪問&出展レポート

『コールセンター/CRMデモ&カンファレンス2017 in東京』訪問&出展レポート

今回は、11月9・10日に、池袋サンシャインシティ・文化会館で開催された日本最大級のコールセンターイベント『コールセンター/CRMデモ&コンファレンス2017 in東京』の訪問レポートをお届けする。

弊社も出展したので、そちらも簡単にご紹介したい。

例年に比べ、今年は、初日午前中より、多くの皆様にご来場いただき心より御礼申し上げる。

AI・チャット・RPAが今年の人気テーマ

全体的に目立ったテーマとしては、今年はやはり、AI」「チャット(チャットボット)」「RPA(Robotic Process Automation:ロボティックプロセスオートメーション)の3つだったといえよう。これらに関わるものは、どちらの展示ブースも人だかり、セミナーはほぼ満席で立ち見も出ていた。背景としては、昨今、各センターが人材不足・採用難の抜本的な打開策を見出せない厳しい状況の中で、極力、単純な作業はITの力で自動化していき、LINE活用の顧客対応など、オムニチャネル環境下で高まる消費者ニーズに応え、CX(Customer experience:顧客体験)向上を高めていく必要があるという意識の表れだと推察される。

一方で、「クラウド」「音声認識」「VOC(Voice of customer:顧客の声)」などは、先の3つのキーワードと比べると、一見、ひと段落した感があったが、これはニーズがなくなったというわけではなく、「クラウド」に関しては、その選択肢があるのは当然のものとして認知されることとなり、「音声認識」は、AIのカテゴリーに組込まれていき、「VOC」分析や活動は、やっていて当たり前という時代に入ってきたのであろう。特に、「音声認識」は、顧客応対ログの入力自動化や要約への活用の展示ブースやセミナーが人気を博していた。

今年人気だった、3つのキーワードの観点から、イベントを振り返ってみる。

まずは、「AI」。こちらは、弊社も分科会メンバーとして参加している「5年後のコンタクトセンター研究会成果報告『ソリューション/サービス分科会:"AI&チャット"で変わる顧客対応 デジタルシフトへの未来像』」が非常に興味深かった。分科会メンバーは、主に、システムを提案する立場のシステムベンダーやITコンサルタントの方々で構成されているのだが、その立場からだからこそ、敢えて、AIについて過度な夢を抱かせず、下記のような、現実的な活用のポイントや注意点を率直に提示されていたのが非常にわかりやすかった。


【AIの活用シーン】※一部抜粋

・通話応答
・チャットボット
FAQ検索
コールリーズンを分類
VOC分析
採用
AIセンター長

【AIで注意すること】

・間違えた内容を学習してしまう
・事前に準備コストがかかる
・運用にもコスト
・AIは何でもできるとは限らない
・ROI(投資対効果)は、席数次第(ある程度の規模以上)であり、課題次第


次に、「チャット」についても、下記のとおり、同セッションで議論がなされた。

【チャット(ボット)導入のポイント】

・新サービスを告知した時の一次受け
一次受けのあと5%くらいが有人に流れる
チャットを導入してもモニタリングしやすく、オペレーターの途中交代もスムーズ・
ユーザーの動線を考えて、導入箇所を検討する
電話との使い分けを見る
電話は保留があるが、チャットは相手の時間を拘束しない利点


同セッションの結論として、「AI導入を目的化しない」という大前提で、下記が提示された。

【AI&チャットで今後どう変わるか?】

・オペレーターの負荷を減らせる
チャットと(チャット)ボットの相性は良い
(チャット)ボットで対応してから、有人チャットで対応というモデルが定着化していき、CX(カスタマーエクスペリエンス)が向上する
FAQをWebやオペレーターに見せても、あまり便利にならないが、チャットボット導入でチャネルの保管ができる
人でないとできないことがこれからも残っていく(オペレーターは、少数精鋭に)


以上より、AIとチャットの導入は、今後の顧客対応では避けられないものとなっており、同研究会成果報告「カスタマー・エクスペリエンス分科会:5年後の顧客接点を作る理想の"カスタマー・エクスペリエンス"」でも、チャットを導入したことで、お客様満足度が20%程度向上し、問い合わせ件数も4倍近くに増加したとのお話があった。

最後に、「RPA」について。まだ昨年は疎らだったが、本年はかなりの数の出展・セミナーとも出ており、各社とも、個々の機能的なことよりは、如何に、既存の業務アプリケーションを活かして、現行の業務プロセスやワークフローを自動化していくかの手法に関する説明に重点を置いていた感があった。主に、データエントリー等の定型業務を自動化し、生産性を上げることを目的としたソリューションではあるが、複数アプリケーションを駆使して顧客対応を行い、とりわけ後処理に関して、ミスの防止や目視確認業務負荷の削減により、コンタクトセンターの品質や生産性の向上にも大きく貢献する効果が期待できる。もっとも、業務プロセスの見直しやどこにRPAを導入すると効果的に使用できるか等のノウハウについては、RPA導入実績が豊富なコンサルタントによるサポートが必要不可欠であり、弊社も複数メーカーのRPA製品の取り扱いと導入支援実績があるので、ぜひご活用いただけたら幸いである。

詳しくは、先日オープンした、RPA・チャットボット・MA導入・活用などのソリューションを紹介する「toolhouse(ツールハウス)」をご参照いただきたい。


システム・ソリューション導入そのものを目的化しない

以上、話題のソリューションの観点から、イベントを振り返ったが、やはり、システムやソリューション導入ありきではなく、顧客対応部門における、現状の課題と方針を明確にし、何を解決すべきだから、どのシステムを導入する必要があるという目的意識を持つことが重要である。

弊社では、システム開発や導入のみならず、下図のとおり、現状把握→方針策定→業務設計→ベンダー選定→システム設計・導入→効果測定→業務改善/システム・チューニングまで、一気通貫で行うコンサルティングサービスを提供しているので、ご相談いただけたら幸いである。

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ご興味がある方は下記までお問い合わせください。

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▼RPA・チャットボット・MAソリューションをご希望の方はこちら。

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