【第1回】Connect AI agentsのメリット紹介 ―特長とコンタクトセンターで期待できる効果―


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Catch up! Amazon Connectは、Amazon Connect Customer(旧名称:Amazon Connect)の基本機能やアップデートをご紹介するシリーズです。

今回のテーマは「Connect AI agents」です。

生成AIを使ったコンタクトセンター向けの機能といえば、オペレーターの代わりに質問に回答するチャットボットをイメージする方が多いかもしれません。

本ブログでも過去に、以下の記事でAmazon Connect Customer上に顧客向けのチャットボットを構築できることをご紹介しました。
・Amazon Connect Customer Starter Kit 日本語版レビュー - 概要・特長・注意点
スターターキットを利用することで手軽に構築できるチャットボットについてご紹介しています。
・Amazon Q in Connect 質問への自動回答機能&機能一覧
Connect AI agentsに含まれる、顧客向けのチャットボットについて基本機能をご紹介しています。

Connect AI agentsは、顧客からの問い合わせに自動で回答するだけでなく、問い合わせの内容を理解して必要な情報を探す、外部システムを操作する、オペレーターに回答候補を提示するといった、顧客対応に必要な一連の業務をAIで支援・自動化するための機能群です。

今回はConnect AI agentsの概要と特長、コンタクトセンターで活用することでどのような効果が期待できるのかをご紹介します。

※本記事の内容は2026年9月時点の情報をもとにしています。最新情報はAWSの公式情報をご確認ください。
※機能によって利用可能なリージョン・言語が異なります。東京リージョンで利用可能であっても日本語で利用できない可能性もあります。

目次

Connect AI agentsの概要

特長1:問い合わせへの回答だけでなく、業務を実行できる

特長2:顧客対応だけでなく、オペレーターも支援できる

特長3:コンタクトセンターの中にAIを組み込みやすい

Connect AI agentsで期待できる5つのメリット

 1.AIが完結する業務の幅が広がる

 2.平均処理時間(AHT)を短縮しながら、応対品質をそろえる

 3.SVへの質問を減らし、SVをコンタクトセンター管理の仕事に集中させる

 4.セルフサービス率を上げながら、AIの回答品質も管理する

 5.コンタクトセンターを「改善につながるデータを集める場所」へ

まとめ

Connect AI agentsの概要

Connect AI agentsでは、Connect assistant(画面上の表示は「コネクトアシスタント」)という、ユーザーや顧客との接点となるインターフェースを通じて、顧客やオペレーターが用途に応じたAIエージェントを利用します。

例えば、顧客からの問い合わせに自動対応するAIエージェント、オペレーターへ回答候補を提示するAIエージェント、オペレーター自身が質問してナレッジを検索するためのAIエージェントなどがあります。

現在AWSが標準で用意しているものだけでも、マニュアル検索向け、Eメールの下書き作成向け、AI機能を複数統合したチャットボット向け、要約作成向けなど、用途の異なる複数のAIエージェントがあります。以前はAmazon
Connect WisdomやAmazon Q in Connectとして提供されていた機能は、AIエージェントを中心とした仕組みへと統合され、さらに拡充されています。

これまでのAIチャットボットとAIエージェントとの違いを、3つの特長に分解してご紹介します。

特長1:問い合わせへの回答だけでなく、業務を実行できる

1つ目は、AIが質問に答えるだけでなく、実際の業務処理まで実行できることです。

例えば、顧客から「ホテルの予約日を変更したい」と問い合わせがあったとします。従来のチャットボットでは、顧客に現在の予約日を案内することはできても、予約変更などの手続きはオペレーターによる有人対応となるケースが多くありました。また、生成AIを活用したチャットボットであっても顧客の希望を柔軟にヒアリングできる一方、人間と同じように複数のツールを使い分け、予約変更の一連の手続きを実行することは困難でした。

AIエージェントの場合、顧客の希望を聞くだけではなく、予約情報を検索し、顧客の希望する変更後の日程を確認し、条件に合致する空室情報を検索し、空室があれば予約を変更する、という一連の業務を、ツールを使いこなして順番に実行できます。

Amazon Connect CustomerはMCP(Model Context Protocol)ツールをAIエージェントに登録し、外部システムからの情報取得や、返金、データ更新などのアクションを実行させることができます。複数のツール実行を組み合わせて処理することも可能です。

Connect AI agentsが発展する前のAmazon Connect Customerで同じような動作を実現したい場合、AIチャットボットを高度にカスタマイズする必要がありました。

カスタマイズ例: あらかじめ顧客応対のフローで「この条件ならこの処理」「この例外がある場合は除外」などのルールを明確化し、細かく組み立てて場合によってはAmazon Connect Customer以外のサービス(Lambdaなど)を連携させる。

Connect AI agentsでは、外部ツールの呼び出しを含めた処理を構築する場合でも、自分で組み立てる必要があるフローのパーツが大幅に減り、より手軽に構築できるようになっています。顧客との会話の流れからAIが判断し、目的を達成するために必要な処理を進められるようになっている点が大きな違いです。

特長2:顧客対応だけでなく、オペレーターも支援できる

2つ目は、AIエージェントを顧客向けのボットとして使うだけでなく、オペレーターの業務支援にも利用できることです。

例えば通話中に顧客から、商品の返品期限を質問された場合、AIエージェントは会話内容から問い合わせの意図(今回の問い合わせでは「返品期限を知りたい」)を検出し、関連する登録済みのナレッジを検索して、回答候補や参考にできるドキュメントをオペレーターへ提示できます。また、オペレーター自身がConnect assistantへチャットで質問して回答を探すこともできます。

終話後にケース(問い合わせの内容を記録する機能)の要約文をAIが下書きしたり、顧客に送るメールの本文をAIが作成することも可能です。人が対応する業務にもAIエージェントを組み込めるのがポイントです。

特長3:コンタクトセンターの中にAIを組み込みやすい

3つ目は、Amazon Connect Customer自体にAIエージェント機能が備わっており、別製品を組み合わせなくても利用できることです。

AIエージェントがナレッジを検索する、ステップバイステップガイド(オペレーター向けに終話後などのタイミングでやるべきタスクをガイドする機能)と連携する、MCPツールを使って外部システムへアクセスするといった機能を、別途AI製品を組み合わせることなく構築できます。

AIだけ後から用意して電話基盤システムと連携する場合と比較すると、Amazon Connect Customerの中でコンタクトセンターの基本的な機能と外部連携の可能なAIエージェント機能が揃っていることは、AI導入の障壁を低く抑えてくれるメリットがあり、運用管理の手間も削減できる可能性があります。

Connect AI agentsの3つの特長

Connect AI agentsで期待できる5つのメリット

上記で紹介した機能をコンタクトセンターで利用する具体的なメリットをご紹介します。

1.AIが完結する業務の幅が広がる

コンタクトセンターには日々多くの問い合わせが寄せられるため、オペレーターだけでは対応しきれない問い合わせをAIが受け付けることで、放棄呼の削減が期待できます。

従来型のAIオペレーターもFAQをベースとした質問への回答は可能でしたが、人間と同じようにコンタクトセンターの外部のツール(CRM、基幹システム、サポートサイトなど)を駆使しながら顧客対応をすることは、高度な構築技術や個別設定が障壁となるため、実践できるコンタクトセンターは限られる状況でした。

Connect AI agentsを利用すると、はじめからMCPを利用する手段が用意されているため、FAQをベースとした質問への対応に加えて、ツールを利用した顧客個々の状況の照会/予約のキャンセル・変更/簡単な契約変更などの業務もAIが完結できる可能性が高まります。ボリュームゾーンを占める問い合わせにAIエージェントを活用することができれば、放棄呼率の低下や顧客の待ち時間の短縮につながり、顧客満足度を維持・向上させながら、コンタクトセンターのKPI改善に貢献することが期待できます。

2.平均処理時間(AHT)を短縮しながら、応対品質をそろえる

コンタクトセンターでよくある課題の一つが、オペレーターの知識量の差です。ベテランならすぐ回答できる問い合わせでも、新人の場合はマニュアルを検索したり、SVへ質問したりする必要があり、対応時間が延びるため顧客満足度の低下につながりやすいという問題があります。

Connect AI agentsによる回答候補提示やナレッジの自動検索を活用することで、マニュアル検索の手間を削減し、オペレーターがより顧客との対話に集中できる環境が整います。さらに、処理を伴う問い合わせの場合、AIがアクションを提示・実行したり、応対後の記録作業でノートの下書きを生成することでオペレーターの顧客対応をアシストします。こうした機能を使うことで、平均処理時間(AHT)や平均後処理時間(ACW)の短縮を見込むことができます。また、必要なナレッジへ到達しやすくすることで、新人とベテランの知識差を補い、回答漏れや案内ミスを減らす効果も期待できます。結果として、一次解決率(FCR)や応対品質の向上にもつながります。

3.SVへの質問を減らし、SVをコンタクトセンター管理の仕事に集中させる

AIエージェントによるオペレーター支援は、SVの仕事にも影響します。オペレーターが回答できない問い合わせがあるたびに、回答方法や処理方法をSVに確認しているセンターは少なくありません。

ナレッジ検索や回答候補提示、ステップバイステップガイドなどでオペレーター自身が解決できる問い合わせが増えれば、こうしたSVへの質問・エスカレーションを減らせる可能性があります。

SVの日々の質問対応にかかる負担が軽減されれば、リアルタイムモニタリング、品質管理、オペレーター教育、業務改善など、本来SVが時間を使いたい業務へリソースを振り向けられるため、センター運営全体への改善効果が見込めます。

4.セルフサービス率を上げながら、AIの回答品質も管理する

AIボットを顧客対応に利用するうえで欠かせないポイントのひとつが、AIの回答の正しさのチェックです。AIボットだけで完結する業務の場合は人間が介入しないため、AIの回答が顧客の意図に沿うものかどうかを判定することが難しくなります。

Amazon Connect CustomerにはAIエージェントパフォーマンスダッシュボードがあり、AIが顧客の問題を解決できた割合や、人へ引き継いだ割合、回答が会話やツール実行結果に忠実だったかを見るスコアなどを確認できます。さらに、外部システムを操作するAIではツール選択の正確さなどに関する指標も用意されています。つまり、AIボットがエラーを起こしていないかといったシステム的な観点の監視だけでなく、AIだけで何件解決できたか/回答やツール実行は適切だったかといった情報までモニタリングが可能です。

AIボットのモニタリングがしやすい環境は、AIボットの継続的改善がしやすい環境とも言えます。例えば、顧客が離脱しやすいポイントを特定して質問の順番を見直したり、問い合わせカテゴリごとのAIによる完結率を分析したりすることで、AIボットの継続的な改善につなげられます。こうした改善を重ねることで、AIによる問い合わせ完結率の向上が期待できます。

5.コンタクトセンターを「改善につながるデータを集める場所」へ

コンタクトセンターには、顧客が実際につまずいている点や、商品・サービスに対する意見が大量に集まります。ところが、この情報を人間が分類・分析するためには大きな工数がかかるため、データの分析に着手できずにいるコンタクトセンターは多数存在します。

Amazon Connect Customerでは、会話分析や生成AIを使った分類・分析機能も拡充されています(*1)。問い合わせ理由を継続的に分析して、問い合わせが増えている領域の顧客案内の強化、顧客が多く不満を訴えている機能や料金の改善といった他部門への情報連携を行うことで、コンタクトセンターを「改善につながるデータを集める場所」として、改めて認識してもらえることにもつながります。

*1 会話分析や生成AIを使った分類・分析機能は、2026年9月現在、日本語・東京リージョンで未提供の機能もあります。導入時には最新情報をご確認ください。

まとめ

今回はConnect AI agentsの概要と特長、コンタクトセンターで期待できる効果をご紹介しました。

AI agentsという名前から「AIが顧客対応を代行する機能」をイメージしがちですが、実際には顧客向けセルフサービスから、オペレーター支援、外部システムの操作まで幅広い機能が用意されています。

うまく活用できれば、AHTやACWといった現場の生産性指標だけでなく、FCR、セルフサービス完結率、CSAT、さらには問い合わせ削減や解約率など、より広い指標の改善につなげられる可能性があります。

では、実際にどのようなAI機能が用意されているのでしょうか。

次回はConnect AI agentsの機能を、顧客向け・オペレーター向け・管理者/開発者向けに分けてご紹介します。

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執筆者紹介

バーチャレクス・コンサルティング株式会社
プロダクトエンジニアリング&サービス部/AI統括室(兼務)
川村 正安
社内情報システム、AWS/Amazon Connect、Connectrekに長く関わり、現在はAI統括室を兼務しAIネイティブな働き方を社内に広げる仕組みづくりを推進。業務を自動化する仕組みの開発・運用を自ら手を動かして進めている。

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