【CCの基礎#2】コンタクトセンターシステムについて



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今回はコンタクトセンターシステムについてのお話です。

ひと昔前、顧客接点が「電話」しかなかった時代では、「PBX」「CMS」「CTS」がコールセンターシステムの"三種の神器"でした。それから様々なチャネルが誕生して、顧客も多様化し、情報も格段に収集しやすくなった昨今では、必要なシステムも変化しつつあります。

本稿では、コンタクトセンターシステムとして必要な機能や考え方について整理しました。


1.マルチチャネル対応機能

顧客からの問い合わせは今や電話だけでなく、メールやSMS、Webフォームなど様々なチャネルから発生しています。

チャネル毎に履歴を管理しても、顧客目線における時系列での履歴を把握できず、大切な要望や重要な転換期を見落としてしまうことにもなりかねません。これらはITの力を利用しないと統合できませんし、統合化することでCX向上にも役立てる事ができます。

2.データ分析機能

履歴データを集計し、分析することで様々な情報を把握することが可能になります。顧客の声(HotVoice)の収集や製品/サービスの改善につながるヒントだけでなく、センター運営上の課題や対応方針も見出すことができます。

また、問い合わせ量とコールリーズンとの関係から、最近の問い合わせ傾向やペインポイントを見つけ出すこともできます。これらは分析ツールを使いこなすことで効率的に行うことができます。

3.センター運営管理機能

ここでは問い合わせに必要な情報整備やスーパーバイザーが運営するために必要な機能群を指します。例えば問い合わせ対応に必要なFAQやナレッジ情報は他の情報と正しく連携し誰が答えても同じであり、その内容はできるだけ素早く(場合によっては能動的に)検索できる必要があります。

またセンターを運営していく上で次々に発生する事象(有事、ハードクレーム、NGワード検知など)をスーパーバイザーは常に把握する必要があります。それを解決するために、エスカレーション機能、感情分析、一斉通知機能などがその一例として挙げられますが、これはフロアやセンターが分散されていたとしても関係者には正しくタイムリーに連携される必要があります。

4.クラウド基盤利用

これはSaas利用という観点だけでなく、AWSやAzureを利用したマネジメントサービスも含みます。つまりデータセンター上にシステムを構築し、それを運用保守する事が(要員的にもスキル的にも)難しい状況にある中では、様々なクラウド基盤を利用しない手はありません。情報システム部門は(パッケージ/サービス問わず)その運用から解放される(もしくは委ねる)事で本来のITを利用した事業運営をどうすめるかに時間を使う事ができます。

上記で記載した分析ツールもサービスとして多数存在しているので、大規模な投資をしてシステム構築をせずとも自分達に合うツールが何かを、試しながら選定することができます。

5.自動化ツール

自動音声応答(IVR)など、以前より存在するセルフ対応機能は備えていますが、この分野ではAI技術を利用したよりきめ細かな対応を実現することが可能になっています。音声認識や音声合成、インテリジェントルーティングなどの技術を組み合わせ、より精度の高いチャットボットやバーチャルオペレータが対応することで、単なる自動化ではなく、顧客体験させる様々な施策展開を自動化する事ができます。

顧客ニーズや働き方の変化、そしてAIの台頭でシステムに求められる機能は大きく様変わりしました。しかし顧客からの問い合わせに対して早く正しく対応する(場合によってはそれ以上の価値を提供する)ことが目的であることは昔も今も変わりはなく、今後も全てがシステムで自動化されることはないでしょう。コンタクトセンターシステムをうまく利用し、顧客満足度を向上させていくセンター運営を継続的に実施/改善していくことが、今後より求められます。

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