AIボット(ボイス・チャット)を導入から運用後の効果創出までを継続的にサポートする"AIボット運用アウトソーシングサービス"

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 昨今、コンタクトセンターDXとして、AI技術の活用を中心とした無人化、自動化、省人化に取り組むコンタクトセンターが増えてきています。しかしながら、効果の創出に至ってない、思い描いたオペレーションが実現できていないなど、様々な課題が立ちはだかり、各種テクノロジーを導入したものの活用しきれないという声も多く聞こえてきます。

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■コンタクトセンターが抱える課題

コンタクトセンターが抱える大きな課題として、オペレーターの採用難が挙げられます。コロナ以前から顕在化している課題で、業界全体として周知の事実と捉えられていると思います。コロナ禍により、他サービス業種などからコンタクトセンター業界に人材の流入があり、有効求人倍率の伸び率が鈍化した時期もありましたが、世の中がコロナ対策よりも経済活動に重きを置くに比例して、再び有効求人倍率が上昇している状況で、オペレーターの確保に課題を抱えている企業様も多いのではないしょうか。

そうした背景や世の中全体のDX志向、またコロナ禍による非対面領域の強化が相まって、ボイスボットやチャットボットの活用を本格的に検討、あるいは実際に導入して運用をしている企業もここ数年は顕著に増加していると思われます。

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※コールセンタージャパン5月号「有効求人倍率推移」をもとに弊社作成

しかしながら、ここで新たな課題に直面しているのも事実です。例えば、ボイスボット・チャットボットを導入したけれども、思ったほど成果に結びつかない、最適な運用方法がわからない、改善ポイントは把握しているがITリテラシーに強い人材がおらず、システムを使いこなすことができていない、あるいは導入を検討しているけれども、どのように施策を進めていいかわからないなど、これは弊社が実際に様々な企業様から聞いた生のお声の一部です。ボイスボット・チャットボットの導入はスタートに過ぎず、DXは「デジタルを利用した変革」(ここでは効果を創出することと定義)を実現してこそ、ゴールといえます。導入して終わり、ではなく、導入後の利活用を進め、最大限の効果を生み出すためにはどうすればいいのか?そんなお悩みを抱える企業様にお役立ていただける、バーチャレクスの"AIボット運用最適化アウトソーシングサービス"をご紹介いたします。

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■ボイスボット・チャットボットの導入を無駄に終わらせない「AIボット運用最適化アウトソーシングサービス」」

バーチャレクスが定義するAIボット運用最適化アウトソーシングサービスとは、企業が導入したボイスボット・チャットボットが顧客からの問い合わせに応対しその完了率を高めてコスト削減に導くものです。ボットの運用のみならず、顧客にボットを利用してもらうための仕掛け、仕組みから、チャネルを通じたオペレーションまで、顧客体験を損なわずにコスト削減効果を生むという難しいミッションを、少数精鋭の運営チームがアウトソーシングで担うものです。

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■具体的なアウトソーシング内容

ここではそのアウトソーシングの中身をフェーズごとにご紹介します。

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・計画・導入フェーズ

(1) チャネル分析

運用フェーズに入る前段に計画フェーズとして、ボイスボット・チャットボットを適応する問い合わせに対して、応対フローや応対難易度、または外部システム(ここでは企業様の各種DBや外部APIなど を指す)との接続要否や可否など定性的な情報の分析と呼量や全体呼量のうちの割合、AHTなどの定量情報を分析し、実現難易度や適応イメージの具体化を行います。既に運用を始めている場合であっても、これから導入する場合であっても、そのチャネルがどういう状態か を把握することが至極当たり前なファーストアクションとなります。

(2) ソリューション導入

ボイスボット・チャットボットは未導入の場合、これまで様々なITソリューションを導入してきたバーチャレクスが考えるフレームワークに則り、企画段階からサポートすることも可能です。コンタクトセンターが求める機能要望・非機能要望を要件化し、RFPを作成、要件に基づく最適なソリューション選定のアドバイスを行います。また、ただソリューションを選定することに留まらず、施策全体の予算化に向けたサポートや施策推進のリーディング、ソリューション選定後は、実装されるまでベンダーのブリッジ役を担うことも可能です。

・運用フェーズ

(1) シナリオ作成・最適化

チャネル分析によって得られた情報をベースにボットが顧客とQ&Aで応対できる仕組みの構築として、顧客とボットの会話フローや顧客が理解しやすい発話、回答しやすい発話や、企業にとっても必要な情報がヒアリングできる発話を作成する。またボット自体に辞書登録などを行い、精度向上を図っていくことも含まれます。シナリオ自体がわかりづらかったり、ボットが顧客に対して意図しない理解をさせたりすることで、顧客はボットによる応対にストレスを感じ、途中離脱することも十分に考えられます。そういったリスクを可能な限り排除/低減していくことが求められます。

(2) Bot導線構築・最適化

ボイスボット・チャットボットで応対する仕組みの構築と合わせて、ボイスボット、チャットボットに流入させる仕組みを構築することも大事な要素となります。どんなに優れたシナリオを構築しても、高精度なボット応対が実現しても、そもそも使ってもらえない・認知してもらえないボットほど無用なものはありません。企業にとって多くの顧客にボットの存在を認知させ、実際に使って頂けるような取り組みをしていくこともシナリオを作るのと同等かそれ以上に重要だと考えます。 例えばチャットボットなら、チャット紹介ページの開設や紙媒体などにQRコードを掲載するなど、チャット認知度の向上を図る、またはウィジェット設置箇所の増設、起動時のメニュー改善やページ滞留時間によってアクティブ起動を行う、またチャットボット自体を企業のマスコットキャラクターに変えることも、親しみやすさを訴求し、使われるチャネルに向けた打ち手になりえると考えます。

(3) 集計・分析レポート

ボイスボット・チャットボットを稼働させる仕組みを整えたら、実際にボイスボット・チャットボットの稼働状況を数値的に可視化することが必須となります。当然ただ闇雲にデータを取得すればいいということではなく、まずKPIに基づくレポーティング設計として、必要となるデータは何か、その中で特に重視するデータは何か、またいつどのタイミングを起点として取得するかなど細かいところまで運用プロセスと合わせて定めます。 次に、個別シナリオフロー単位で問題点を抽出していきます。例えばボイスボットであれば不完了音声ログを分析し、原因を特定、具体的な改善策(フローそのものによるものか、意図理解のしやすさ・聞き取りやすさなのかなど)の検討を行います。それらに加えて、ご支援企業様内の定期報告用にレポート作成の支援も行います。

(4) チューニング

前段の集計・分析で得られた示唆、それから導き出された改善策を講じていきます。例えば、既存シナリオフロー改善案を作成し、テスト環境に実装した上で、運用テストとリリース判定を行います。シナリオ改善案をいきなり顧客向けにリリースするのではなく、システム面、運用面において問題ないことを綿密に計画立てながら確認し、万全を期して顧客サービスとして提供していく必要があります。また、AIを活用する場合はボットの学習用に教師データの作成や、回答のソースとしてFAQコンテンツの内容精査から更新まで包括的にチューニングをかけていくケースもあります。

■某インフラ会社様の事例

弊社が実際にご支援した某インフラ会社様の事例をご紹介します。この企業様はインフラサービスの新規契約、契約変更、解約に導入していましたが思った以上に効果が創出できず、ボイスボットの完了率は10%ほどでした。ボイスボットで完了しない問い合わせは、途中離脱になるか、オペレーターに転送となり、却って品質を下げることにもなっていました。その課題に対して、①「使われるチャネル」への再構築、②契約特定/回答精度のチューニング、③KPI管理/データ分析、④カイゼン提案と実行を主な取組みとして、行い、完了率を50%超に引き上げるに至りました。結果、ボイスボットが無人完結 で対応することで、顧客に対する一定の利便性向上に寄与し、当企業様は有人対応呼の抑制によるコスト削減が実現できました。

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■まとめ

ここでは、コンタクトセンターDXに潜む課題に対する打ち手として、自己解決率向上を図るアウトソーシングサービスについてご紹介しました。

ポイントは上記に上げた①~④を1つのサイクルとして回し続けることにあり、そのためには定常的に運用し続ける体制とリソースの確保、オペレーション全体の理解とそれらをボットに反映させるシステムに対する知見、KPIとして定めた数値目標を定点観測し、また未達成要素を定量的に分析し、その上で改善ポイントを明確に、あらたな打ち手を講じていくことにあります。 コンタクトセンターの変革・運営最適化、IT活用推進を多数進めてきたバーチャレクスがゴールに向かって、その課題に向き合い、成果を創出するまで伴走するパートナーとして、企業様のDX推進をご支援しますので、是非お気軽にお問合せ下さいませ。

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執筆者紹介

バーチャレクス・コンサルティング株式会社
オペレーション統括本部 コンサルティング&ビジネスディベロップメント部
森田 智史(もりた さとし)

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