去る2022年5月23日~24日、AWS Summitがオンラインで開催されました。
今回はその中で、主にAmazon Connect関連部分についてのサマリーをご紹介したいと思います。
金融サービス業界での Amazon Connect 活用の広がり(AWS-14)
🌟おすすめです🌟
①じぶん銀行の事例
CCP(Amazon Connectのソフトフォン・チャットツール)のカスタマイズ内容:着信時のUIにキュー名、IVRで選択したメニュー名、着電した番号、お待たせ時間を表示
- 待ち時間/IVR選択内容表示
・AmazonConnectキュー名
・IVRメニューで選択した窓口名
・顧客が架電した電話番号
・お待たせ時間キュー内での待ち時間
・発信者番号選択
電話発信時、CCPからお客様に通知する発信者電話番号を変更
通録ファイルのログ保存の2重化:S3に自動で保存されるデータを定期的にバックアップする
ログイン制限:外部システムからのSSOログインをAWS SSO経由でCloudTrailに連携してログをAWSに集約する
DR:メインリージョンと別リージョンに緊急時のシステムを構築+S3データのバックアップ
金融系の会社さんはAmazon Connectの標準的な構成に加え、データ保存の2重化、DR対策といった慎重な対応を取られていて、バックアップのアイデアになりますね。
②クレディセゾン事例
督促業務の自動化(Amazon Connect+Polly):人間の工数を大幅に削減できただけでなく、有人OPと話したくないお客様の満足度向上が見られた。
架電業務を自動化する過程で拘ったポイント:Amazon Connectでの架電結果を基幹システムに即時連携することで、既に支払いを済ませた顧客や直近で架電した顧客には架電しないようにシステムを構成した。
既に支払いを済ませた顧客に再度督促がかかると顧客満足度が低下してしまうので、架電先リストを生成する基幹システムにコール結果を即時連携することで解決した。
Amazon Connectは他ベンダーに比べて導入コストが安かったのが選定のポイントの1つになった。
③山梨中央銀行事例
業務運用の変更:クラウド型統合コンタクトセンターとしてAmazon Connectを利用し、必要に応じて支店(90拠点)に転送する仕組み。各支店でのPBXの管理費用がなくなったので、90番号用意してもコストメリットがあった。一方、支店ごとに異なる営業時間はAmazon Connectだけでは対応できず。独自でソリューション開発する必要があった。
- ・ソフトフォン端末と業務端末を分け、インターネット分離を維持しつつCTI連携を実現
・営業時間が支店ごとに変わるため、PBX同様のスケジュール機能の開発
Amazon Connect タスクを利用したビデオコールに今後着手予定。
④Affirm(米国の分割後払い(BNPL)システム提供会社)事例
音声認識での本人確認:証券番号と生年月日を電話口で言ってもらうことで、声紋認証で本人確認をする
Amazon ConnectのTask機能の活用:Task+SalesForceの連携でオペレーターへの引継ぎ
顧客と従業員の体験を高めるクラウドコンタクトセンターの実践(AWS-26)
Amazon Connect+ContactLens+Taskのソリューション構築例
OPと顧客の会話終了後、OPに対する評価を尋ねるアンケートを自動音声で流し、
音声入力で1~5(5が高評価)を顧客に入力してもらう
→低評価だったらTaskでSVに着信、内容をContactLensが文字起こししているのでチェックしやすいという内容
Amazon QuickSight によるデータのビジネス活用(AWS-38)
#内容は易しめ。
■QuickSightの5つの機能
- 異常検知:データの異常値を検知するだけでなく、その内訳を表示することもできる
- 予測:投入済みのデータを基に自動でデータの推移を予測しグラフィカル表示
- 自動ナラティブ:データの傾向を文章形式で表示(日本語対応)
- ML予測連携:独自の分析モデルを連携するにはAmazon SageMakerと連携する
→自動クラスタリング、カテゴリごとの表示などが可能になる - QuickSight Q(日本語対応していない):自然言語で質問するとクエリー結果を返し、テーブルやデータを生成してくれる。データフィールドの定義(列名など)を事前に設定する必要がある
ちなみに④の構築例は実際に使えそうなものが多く、おお~と思いました。
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執筆者紹介
プロダクトエンジニアリング&サービス部