『AWS Summit Tokyo 2024』参加レポート

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エンジニア5年目の S村です。2024年6月20日、21日に千葉の幕張メッセで開催されたAWS Summitに参加してきました!

そもそもAWS Summitとは?という方もいらっしゃるかもしれませんが、平たく言えばAWSのあれこれに関するカンファレンスです。AWSやそのパートナー企業が、AWSを活用した取り組みや製品・サービスなどについてセッションを開いたりブースを出展するなどしてアピールする催しです。

イベント概要

日時:2024年6月20日~21日
場所:幕張メッセ
内容:AWSとそのパートナー企業がAWSを活用した取り組みや製品・サービスを紹介するカンファレンス
参加者数:30,000人以上

会場到着

まず、開催場所の海浜幕張。神奈川県民にはちと遠いです。朝も早いし行くかどうかちょっと迷いましたが、チームのメンバーに参加すると宣言してしまった手前、行かないわけにはいかず海浜幕張に向かいました。

9:40頃に幕張メッセについたのですが、ディズニーを彷彿とさせるような長蛇の列。

どうやら例年30,000人以上の方が来場するらしく、圧倒されました。(写真を撮っておけばよかったです)
20分ほど列で待機して会場に入ると、いい感じのパネルがお出迎えしてくれてちょっとテンションが上がりました。

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基調講演

イベントは基調講演にて幕を開けました。

座席数は限られており、出遅れた私は立ち見を強いられ早速洗礼を浴びました。この基調講演ですが、10:00 - 11:30の1時間30分という長尺で、立ち見による足の痺れもあってだいぶ集中が削がれました。

正味、詳らかに説明できるほど内容を覚えていないのですが、印象に残ったポイントを3つほど。

1. "Good work needs good people"

基調講演はいくつかのパートに分かれていて、タイトルにあるフレーズは、生成AIの活用における今後の展望、のようなパートで出てきたものです。正直、生成AIとはあまり関係ないですが、シンプルなフレーズであるものの確かにそうだよなと思わされました。

"good people" の "good" がなかなか曖昧で、"talented" や "competent"のように能力面に着目しているのか、"considerate" や "matured" のように人間面に着目しているか、はたまたそれらすべてを包括しているのかはちょっとわかりませんが、人間が集まり目標に向かって仕事をしていくのであれば、結果はその人間の質に依存するのは必然ですよね。

自身が所属するチームがよい仕事を生み出せるように、自分自身もレベルアップが必要だと思わされました。

2. Project Kuiper

Project Kuiper とはAmazonが推進する衛星通信事業であり、低軌道の衛星を配置することで、地球上のあらゆる場所で高速かつ安定したインターネット接続を提供することを目指しているようです。※詳細はこちら

恥ずかしながらこのプロジェクトの存在は存じ上げなかったのですが、Amazonもついに宇宙に進出したかー、とロマンを感じました。

3. プレゼンターの立ち居振る舞い

これまた講演の内容とは直接関係ないのですが、ステージ上でスピーチを行うプレゼンターの姿には目を惹かれました。ゆっくりとステージ上を歩きながら丁寧なスピードで淀みなく話し続ける様子は「格好いい」の一言に尽きました。どれほどの自信と経験を積み重ねればあれだけのオーディエンスを前に物怖じせずにいられるのでしょうか。いつかはあんな風になってみたいものです。


基調講演が終わると各自AWSやパートナー企業のセッションに参加したり、出展されたブースを見て回る時間となります。

セッション紹介

 1.[ AWS ] Amazon Connect と 生成 AI 機能が実現するコンタクトセンターの変革

私が所属する部署でも取り扱うAmazon Connectについての講演に参加しました。Amazon Connectのユーザを下記4つの属性に分類し、それぞれに向けたサービスに新たに生成AIを活用した機能が組み込まれたことが紹介され、簡単なデモも行われました。

1.オペレータ
2.SV
3.コンタクトセンターのエンドユーザ(実際に電話を架けてくるお客さま)
4. Amazon Connectそのものの管理者

どうやらこの生成AI機能は標準機能では英語のみに対応しているようで、日本語には未対応のものが多いようです。Bedrockを用いて同様の機能を実現するソリューションはAWSから提供されているようでした(オペレータ向けのアシストや、音声認識結果の要約など)。

今後のアップデートで標準機能でも日本語にも対応するようになれば、Amazon Connectを提案する際のアピールポイントにもなるのではないのでしょうか。

楽しみですね。

 2.コンタクトセンター基盤移行で感じたAmazon Connect 活用の勘所
    - ふくおかフィナンシャルグループが取り組む営業改革

アクセンチュア様による事例セッションでした。400席のコールセンタをAmazon Connectでクラウド化に成功した事例で、プロジェクト期間としては6か月という短期間で実施されたということでした。

成功の鍵をお客様側、アクセンチュア様側それぞれで挙げておられました。

お客様側での成功の鍵:

1.システム構築の迅速な着手
2.プロジェクトマネージメントの重要性
3.効果的なベンダーとの協力

アクセンチュア様側での成功の鍵:
1.システム構築の迅速な着手
2.システム移行の検討内容
3.Amazon Connectでの機能実現


その他、サーバレス技術を用いて構築されたという点が印象的でした。

また今後の取り組みとしてコールフローの見直し、SMS送信、予約やWebフォーム受付、チャットなどを挙げておられました。

弊社でも「お待たせしない顧客対応」という提案を開始しており、世間の流れが同じところに向かっているのだなということを感じました。

 3.[パートナー企業] JCB のクラウドを活用した攻めのビジネス戦略
    ~プラットフォーム戦略と基幹系モダナイゼーションへの挑戦~

続いて、クレジットカード会社 JCBが開催する講演にも参加しました。変化の激しいクレジットカード業界で優位性を保つために、下記の3つをテーマに掲げているそうです。

1.ITコスト最適化
2.ビジネスアジリティの向上
3.ビジネス継続性の確保

そして、これらのテーマに対するAWSを活用した取り組みについて、JCB のシステム本部長が解説をされていました。また、現在推進している基幹システムのクラウドシフト&リフトについてもお話がありました。

わずか30分の講演ではありましたが、興味深いものでした。「API基盤をAWSのAPI Gatewayで構築した」や「開発スピードをあげるためにCI/CDをプロセスに組み込んだ」といった具体的な話があり、イメージがしやすかったです。

 4.AWSミニセッション「生成AIのカスタマーサービス活用」

AWSの羽富氏によるミニセッションを聴講しました。AIを用いて以下のようにコールセンターの運営を効率化しようという内容でした。

1.AIを用いて、項目の自動分類や自動入力を行う
2.コミュニケータをサポートすることで応対品質の向上を見込む

具体的にはAIを用いて以下のようなことができるようになるとのことでした。

1. 項目値を推奨
2. カテゴリー、サブカテゴリーを分類
3. 問題のタイプの特定
4. 問題のある製品の特定
5. 正しい優先順位の推奨
6. 位置情報の特定
7. ケースの言語の特定
8. 迷惑メールの特定
9. 専門家へのエスカレーションを推奨
10.根本的な問題または既知の問題を推奨
11.ケースの自動ルーティング

その他、生成AIによるエージェントアシスタント(トークスクリプト生成)のデモや、Contact Lensによる感情分析表示や、Amazon Connectの標準レポートの読み方などが参考になりました。

特に、レポートの読み方については、以下のような観点でも可能ということで、後で調べてみようと思いました。

・問い合わせの多いカテゴリはどれか?
・無音部分が多い通話はどれか?
・感情スコアが最も低い/高い通話はどれか?
・感情スコアがネガティブからポジティブにシフトした通話はどれか?


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展示ブース

とても広い会場に250を超えるブースが出展されていたので、正直あまり詳細には覚えてはいないのですが、そんな中で印象に残っている面白いなと思ったものがこちらです。

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AWSにより用意された展示で、日常のあったらいいなをAWSで実現するならどうするか?を紹介・解説するコーナーです。

課題があって、どうやったら解決できるかを考えて、解決方法をIT技術に落とし込むといった流れが数枚のパネルに簡潔にまとめられていました。

また、解決方法として示されたシステムはアーキテクチャ図付きで解説されているためイメージもしやすく、AWSサービスを組み合わせてシステムを作る上でのアイデアをもらえました。

全部で8つの課題&解決策が紹介されていたのですが、私が特に気に入ったのがこれ。

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左から順番になっています。
電車のなかで次の停車駅でどの席が空くかを予想してくれる仕組みです。

実は私、この「次どこの席が空くかゲーム」はちょっと得意だと自信があるのですが、さすがにこれには負けそうです。

最後に

このイベント参加により、AWSをはじめ様々な企業の製品や取り組みに触れて、よい刺激を得られたと思います。これらの知見を活かして、業務改善や新しいプロジェクトに取り組んでいきたいと思います。次回のAWS Summitも非常に楽しみです。

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