【導入事例】CRM導入でカスタマーサポートにおける複数の課題を解決/スポーツ用具関連企業

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国内企業のカスタマーサポート部門では、問い合わせ対応業務をOffice製品で賄っているケースが少なくありません。Office製品は汎用性が高いうえに安価であり、小~中規模クラスのカスタマーサポートには最適なツールのひとつです。

一方で、ツール同士の連携が弱いことや、過去の事例検索に時間を要すること、根本的な顧客管理機能がないことなどから、問い合わせ対応が煩雑になりがちという側面もあります。

こうした課題を解決する方法として、CRMへの移行が挙げられます。今回紹介する事例においても、Office製品を主体とした業務環境からCRMへの移行によって、業務効率化を達成しています。

1. Office製品での顧客管理業務を効率化したい~システムリプレイスの背景

T社は、あるスポーツ競技に関する用具の製造・販売を手掛け、世界選手権における使用用具のシェアを5割以上獲得しています。業界内でのポジションを裏付けるように、種目に特化した製品を広く深く取り扱っています。

T社では、お客様サポートセンターを設置し、初心者からベテランまでさまざまな愛好家から寄せられる問い合わせに対応しています。問い合わせ数は月間200件程度ですが、深く濃い内容が多いことが特徴です。

以前は問い合わせ対応をOffice製品によって進めていました。しかし、情報連携や検索に関する機能が弱いことなどが足かせとなり、業務が煩雑になりがちだったとのこと。

具体的には次のような問題が生じていました。

案件情報が統一されていない

T社では問い合わせのチャネルごとに異なるツールで案件情報を管理していました。具体的には、電話による対応をMicrosoft社の「Access」に蓄積し、メールは同社のOutlookという具合に、個別管理を行っていたのです。このことから、同一の顧客から異なるチャネルで問い合わせを受けた際に、案件同時の結び付けがしにくい状態でした。また、案件内容を確認する際に毎回ツールを立ち上げる手間も発生しており、業務負荷を高める一因となっていました。

検索/集計機能が弱い

Office製品は汎用性が高く低コストである一方で、ツール間を横断した情報検索がしにくいという弱点があります。T社でもこの問題を認識しており、過去の問い合わせ履歴を検索する際には相応の工数がかかっている状態でした。また、問い合わせ内容の集計を行う機能が無いことも問題でした。

ナレッジ共有とブラッシュアップを同時進行できない

T社では社内向けのFAQを作成・運用しています。旧環境ではExcelをベースとしてFAQを作成していました。しかし、案件登録作業と同じ画面でFAQを参照できないことや、入力補助機能が無く毎回入力する手間が発生することなどがネックとなり、ナレッジをブラッシュアップしにくい状態でした。

2.案件同士のつながりが強化され応対業務が効率化~CRM導入後の効果

Accessのサポート期限が迫っていることもあり、T社では顧客案件管理機能を持つ新たなシステムが必要と判断。そこでバーチャレクスのクラウドCRMサービス「Virtualex iXClouZ(以下、アイエックスクラウズ)」を選定いただき、新たなCRMの構築を開始しました。

アイエックスクラウズの導入後は下記図のように新たなサポートセンターシステムが完成しました。
 

アイエックスクラウズによるお客様サポートセンターシステムイメージ

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アイエックスクラウズは、バーチャレクスの本格的なコールセンター向けCRMパッケージである「inspirX(インスピーリ)」をベースとしたサブクリプション型サービスです。

コールセンター業務を支える基本機能に加え、セルフカスタマイズ機能やユーザビリティを意識したUIなど、業務負荷軽減と効率化に貢献する機能を安価に利用できる製品です。

アイエックスクラウズ導入後の効果としては下記5つが確認されています。

UIの刷新により業務効率が向上

T社からは、アイエックスクラウズのUIについて「画面構成が使いやすい」とのコメントをいただいています。例えば、画面構成を標準の2列から3列に変更することで、マルチディスプレイ環境での視認性や作業効率が向上したとの評価をいただいています。

顧客情報へ素早く到達 「つながり」の認識も容易に

旧環境では「電話やメールを受けてからAccessOutlookに保存された顧客情報を確認する」という具合に、顧客情報の特定に手間がかかっていました。アイエックスクラウズに移行後は、個別にツールを立ち上げて確認する手間がなくなり、迅速に顧客情報へアクセスできるようになりました。また、メールと電話の履歴がアイエックスクラウズに統合されたことで、「メールを送った後に電話をかけてきたお客様」を容易に特定できています。

案件情報が高い精度で把握できるように

T社お客様サポートセンターへの問い合わせは、一度の入電で完結しないものもあります。1案件に対して複数回の入電があるため、進捗管理やステータス管理、担当者情報の共有は必須です。これらの案件の履歴情報も、アイエックスクラウズで簡単に把握できるようになりました。

過去事例から「深い内容」の検索が容易に

お客様サポートセンターには、用具に関する「深い」内容の問い合わせも寄せられます。T社では、深い内容に問い合わせに対応するため、頻繁に過去事例を参考にしています。しかし旧環境では過去事例の検索機能がなく、大まかな製品カテゴリから手動で過去事例を探し出している状態でした。アイエックスクラウズへの移行後は、製品名や案件名ベースでの検索が可能になり、過去事例を迅速に見つけられるようになっています。また、アイエックスクラウズのテンプレート機能を活用することで、回答の迅速化も達成されました。「メール作成1件あたりの時間が15分程度短縮された」という例もあります。

集計作業が容易になり業務改善につながった

アイエックスクラウズに電話・メールの問い合わせ履歴が一元化されたことで、月末の集計作業が容易になりました。特にメールについては、手入力ベースの集計作業が大幅に改善されています。さらに今回の導入プロジェクトに際し、T社側でも集計作業を効率化するシステムづくりの計画や製品カテゴリの見直しを行っており、このことが業務改善にもつながりました。

3.選定のポイントは 「抜群の見易さ」「使い勝手の良さ」

T社にアイエックスクラウズの選定理由を伺ったところ、以下2点を挙げていただきました。

抜群に見やすい画面

選定理由の1つ目として、「画面構成が見やすく、扱いやすい」という点を挙げていただきました。T社が取り扱うスポーツ用具は、一般的に見れば特殊な製品です。特殊な製品を深く広く扱うため、なによりも「現場の担当者が情報を認識しやすい画面構成」を望んでいました。アイエックスクラウズは、シンプルで使いやすく直感的な操作が可能な点を強みとしています。この点がT社のニーズと合致したことが選定理由になりました。

充実の基本機能

2つ目の理由としては、顧客情報や案件情報の管理機能ナレッジ関連機能といった基本機能の充実が挙げられました。アイエックスクラウズは弊社のCRMパッケージであるinspirX(インスピーリ)の簡易バージョンとも言える製品です。しかしながら、基本機能の面においてはコールセンター業務のニーズを十分に満たせる内容となっています。

アイエックスクラウズ詳細はこちら

4.仮想環境と伴走型支援でスムーズな導入をサポート

また、導入プロジェクトの進め方については「仮想環境(サンドボックス環境)の活用」と「伴走型支援」の2点についてご評価をいただきました。

仮想環境の活用でスムーズな本番移行へ

旧環境からアイエックスクラウズへの移行時には、仮想環境(以下、サンドボックス)による事前準備を行いました。アイエックスクラウズでは、導入サポートの一環として、期間限定ではありますがサンドボックスの提供を行っています。今回のプロジェクトにおいても、サンドボックス上で、「本番環境で予定している設定の確認」や「セルフカスタマイズに関する予行演習」を行っています。さらにお客様側にて自由に基本機能に触れていただき、アイエックスクラウズへの理解を深めていただきました。

伴走型支援で心理的な負担を軽減

サンドボックス上で発生した疑問や課題に対しては、随時サポートやマニュアルも提供させていただいています。今回はさらに、T社の旧環境に蓄積された案件情報(Accessに蓄積されたデータ)の一部をCSVファイル化し、本番環境へ取り込むための準備も並行して行いました。

T社からは「事前にサンドボックスでアイエックスクラウズの機能に触れたことが、心理的な負担の軽減につながった」とのご評価をいただいています。

5.まとめ

今回は、スポーツ用品関連企業であるT社へのアイエックスクラウズ導入事例を紹介しました。T社からは「今後、可能であれば製品情報をデータベース化し、アイエックスクラウズなどのCRMに連携することでサポート業務の質を上げていきたい」との展望をお聞かせいただきました。「カスタマーサポートの効率と質の向上」は、弊社が重視するカスタマーサクセスに直結する要素です。弊社としてもさまざまな提案を行いつつ、伴走型支援を継続する考えです。

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