【Catch up! Amazon Connect】新機能、エージェントの習熟度に応じたルーティング機能

catch_up_amazon_connect.pngこの連載記事はAmazon Connectの機能を実際に試して、バーチャレクス・コンサルティングのメンバーがコンタクトセンターでの利用を想定したコメントをします。

Amazon Connectについての詳細情報はAWS公式ドキュメントご参照ください。

新機能 エージェントの習熟度に応じたルーティング機能をリリース

Amazon Connectでは、エージェントの習熟度を使用して問い合わせを効果的にルーティングする仕組みが提供されました。

■機能概要


機能の概要は以下の通りです。

・各エージェントの習熟度は、多言語スキルレベルや専門知識スキルなどの属性に基づき、そのエージェントのスキルレベルを示しています。

・エージェントの習熟度を用いてフローを構築することでルーティング要件を作成することで、顧客の問い合わせを最適なエージェントにマッチングさせることができます。

・顧客の問い合わせ目的に対して最適なスキルを有するエージェントが不在の場合でも、有効時間の設定によりルーティングのしきい値を徐々に拡張しエージェントを見つけることが可能です。

例えば、特定のスペシャリストに相談できる基準を設定し、エージェントが見つからない場合は要件を緩和してマッチングを行います。

有効時間の設定例:最初40秒間で専門的な知識の点数が5点以上のエージェントに着信しなければ、3点以上のオペレータも着信対象に含める。

■3ステップで設定方法を説明

大まかな設定の流れを紹介いたします。

  1. 「事前定義された属性管理」を開き、管理したい属性を設定します。

    Amazon Connectコンソール>ユーザー>事前定義された属性管理 の順に開きます。設定方法の詳細はこちらをご参照ください。

    agent proficiencies_1.png

  2. エージェントに「属性」を設定します。

    Amazon Connectコンソール>ユーザー>ユーザー管理>対象のユーザー の順に開きます。
    「詳細設定を表示」をクリックすると「属性」の設定が可能です。エージェントに対し複数の属性を設定することができます。

    下記の画像では言語属性(connect:Language)の日本語(connect:Japanese)はスキルレベルを5と設定しています。

    agent proficiencies_2.png

  3. コールフローに「ルーティング条件の設定」ブロックを配置します。

    Amazon Connectコンソール>ルーティング>フロー>対象のフロー の順に開きます。
    「ルーティング条件の設定」ブロックを配置します。

    agent proficiencies_3.png


    配置した「ルーティング条件の設定」を開きルーティング条件を設定します。
    以下は日本語のスキルレベル5のエージェントに25秒間優先的に着信する設定です。

    agent proficiencies_4.png

    設定後、フローの保存と公開をしてください。

以上で準備は完了です。


■活用事例


今回発表された機能を使ってコールセンター運用を想定すると、以下のようなことが可能となります。

  1. スキルセットと一致した問合せ対応による顧客満足度向上、処理時間の短縮


    お客様の問合せ内容がある程度特定できるフローを用いている場合に、専門スキルの高いエージェントから優先的に 対応することが可能です。 お客様への回答がよりスムーズになり、顧客満足度が向上につながります。

    また、知識豊富なエージェントが対応することで通話時間、後処理時間も最適化されるでしょう。


    同時に経験の浅いエージェントには段階的に経験を積めるよう、トップスキルのエージェントが時間内に対応できない場合にサポートに入る設定も可能です。


    問い合わせ対応が効率的に行われるだけでなく、エージェントのスキルアップにも貢献できるフローの構築ができそうです。

  2. 新人エージェントに優先的に着信させる


    新人エージェントが経験を積むために、難易度の低い問い合わせを優先的に担当することがあると思います。 新機能では、エージェントの習熟度に基づいて、新しく着任したエージェントに優先的に問い合わせを振り分けることが可能です。


    問合せ要件に対するスキル以外にもテクニカルスキル、言語スキル等の複数あるエージェントのスキルをAmazon Connect内で管理することが可能です。


    エージェントのスキル管理を「属性」の各レベルで管理することができ、ルーティングプロファイルの付け替えなどせずに着信コントロールができるようになるためSVの管理工数も削減できそうです。


■まとめ


今回の機能で今まで以上に問い合わせに適したエージェントにルーティングさせることが可能になりました。
顧客満足度の向上はもとより、処理時間の短縮、さらにはエージェントの教育にも幅広く活用することができる機能だと思います。

今回の新機能はコールセンター業界で利用するPBXとしては目新しさがある機能ではありませんが、新機能を紹介することで、お客様のAmazon Connect利用促進に繋げたいということで紹介しています。Amazon Connectは日々進化しており使い勝手が良くなっていますので、これから追加される機能にも注目し、最先端の技術だけでなく、今まで不足していた機能が追加されたことも引き続きご紹介していこうと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


バーチャレクスでは、Amazon Connectの導入支援や、AWS基盤活用のコールセンターシステムクラウドサービス「Connectrek」の開発・提供を行っています。

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執筆者紹介

プロダクトエンジニアリング&サービス部
オペレーションスペシャリスト
長谷川 円
コールセンター立ち上げ専門SV、コールセンターの業務コンサルを経て、現在はコールセンター向けソフトウエア製品を取り扱う部門にて、製品企画、プリセールス、運用サポートを担当。
コールセンタの現場経験や知見を製品に反映させ、業務に即した製品の提案、使い方提案が強み。

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