「運営がブラックボックス化して見えない!」、「想定したコストダウンが実現できないのでは?」、「安定した運営が実現できないのでは?」と感じている企業や、センター長などの管理職の方々は意外に多いものです。
アウトソーシングのポイントを理解し、コールセンターの価値向上を推進できるアウトソーサーを選択するにはどうすればよいでしょうか?
今回は「BPO」のサービスを提供する立場から、アウトソーサーを選択する際、どのような視点を持つことが重要かを前編・後編の2回にわたってご説明したいと思います。
アウトソーシング目的の変化
コールセンター及びコンタクトセンターのアウトソーシングに関しては、年代ごとに目的が徐々に変化している状況と言われています。まずは簡単にアウトソーシングを利用する目的の変化を振り返ります。
2000年頃...「運営ノウハウ」、「システム利用」が目的
今から10年以上前(2000年当初)、アウトソーシングの主目的は「コールセンター運営ノウハウの獲得」や「コールセンターシステム(インフラ含む)の利用」などでした。
2010頃...システムクラウド化が進み一部インハウス化
そんな中、少しずつ「コールセンター関連システムのクラウド化」が進み、アウトソーシングに頼ってきたクライアント企業が、低コストでコールセンターシステムを利用できる環境が生まれてきました。そのような事情から、コールセンターを自社運営(インハウス)へと切り替える企業も増えて来ました。
3.11以降~現在...「BCP」、「コスト削減」が目的
しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災が転換期となり、以降「BCP(※1)対策」「コスト削減」という目的がより強く意識され、コールセンター・コンタクトセンターのアウトソーシング化及び地方化が加速してきました。この状況は、現在も継続していいます。
※1: Business Continuity Planning =事業継続計画の略。大きな災害などが起きた場合に、企業や行政機関が事業を続けたり、早く再開させたりするために事前に作っておく計画のこと。
今後...「リソース分散型」の目的へと変化の兆し
そのような中、BCPとコスト削減の目的に加え、ここ数年、深刻化が叫ばれている「超高齢化社会による採用難」のため、自社での人材確保に行き詰まり、センター規模に関わらず「リソース分散」のために、アウトソーシング化が進んでいく状況が考えられます。
このように、アウトソーシングの目的は年々変化しつつも、コールセンターやコンタクトセンターを運営する企業において、今後もアウトソーシングは重要な打ち手の一つであることには変わりないと考えられます。
アウトソーシングの現状とは
次に、アウトソーシングの現状について考察します。以下は『コールセンター白書2016』(2016年10月1日発行/発行元:株式会社リックテレコム)からの抜粋です。
アウトソーシングに関する設問から「契約しているアウトソーサーの社数」のグラフを参照すると、2015年から2016年では4社以上のアウトソーサーを契約している割合が14.7%もアップし、「1社のみ契約」24.8%に対し、2社以上契約という回答は75.7%にのぼり、マルチベンダー体制での運用が進んでいることがわかります。
次に「アウトソーサーを活用する理由」という設問結果を参照します。「業務量の変動に柔軟に対応するため」が67.4%と1位であるものの、2015年より「自社採用だけでは必要な労働力が確保できない」という回答が前年度51.6%から62.8%と大幅に増加しているため【労働力不足を補うため、リソース確保の目的でアウトソーサーを活用】するケースが増えていると考えられます。
弊社ではクライアント企業様のニーズに 応じて付加価値の高いアウトソーシングサービスをご提供しております。アウトソーシングサービスに関して興味、または具体的な課題がある場合など、お気軽にお問い合わせください。