徹底した「つながる化」で顧客との距離を縮める

crm_image.jpgスマートフォンやソーシャルメディアの普及に伴い、企業と顧客のコンタクトチャネルが多様化している今日。これからのコンタクトセンターには、電話やメールにとどまらない多様な接点を通じて顧客と「つながる」ことが求められ、コンタクトセンターシステムもそれを可能にするものでなければなりません。

また、コンタクトセンターだけでなく会社全体として質の高い顧客サービスを提供していくために、コンタクトセンター内にとどまらず社内の他部門と「つながる」ことも重要です。

本稿ではこれからのコンタクトセンターシステムの条件である「つながる化」について、引き続き弊社CRM製品『inspirX(インスピーリ)』開発責任者の飯岡 英明と営業責任者の江本 研に伺います。

複数チャネルの合わせ技を活用する

弊社の最新コンタクトセンターシステム「inspirX5(インスピーリ ファイブ)」の特徴のひとつが、従来のコンタクト方法である電話やメール、FAXなどだけでなく、SMS(ショートメッセージサービス)やLINEなど新しいコンタクトチャネルにも対応していることです。

様々なチャネルとの「つながり」を確保することは、単に顧客接点の選択肢を増やすことにとどまりません。「ユニファイド(=統合された)コミュニケーション」とも言われるように、複数のチャネルを統合的に活用することで、従来にはなかった新しいカスタマーサービスの形が生まれます。


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inspirX 5開発責任者
プロダクト&エンジニアリング部 部長 飯岡 英明


たとえば、あるお客さまから「ウェブで調べたけど載っていなかった」とお問い合わせの電話を受けたものの、お客さまの知りたい情報は実はウェブのFAQページに掲載されていたとします。このときオペレータは、ただ電話越しに答えを教えるだけでなく、「実は今お伝えした内容はウェブにまとめられていて...」と説明した上で、「よろしければSMSでお送りしましょうか?」と、電話をしながらその場で該当ベージのURLを送ることもできます。

口頭で説明を受けた直後に整理された情報を見ると、人の記憶は定着しやすくなるという傾向があります。電話だけ(もしくはウェブだけ)ではうまく伝わりにくいことも、複数チャネルの合わせ技によって格段に伝えやすくなることもあります。

対応結果をウェブに活かし、そもそものコール発生を抑制する

上記のような実際はウェブに掲載されていた、という話は実は多くのコンタクトセンターで実際に見受けられるものです。

会社としてはウェブにわかりやすく情報を掲載しているつもりでも、ページ階層が深くて辿り着きにくい、お客さまの検索したキーワードとウェブサイト上のキーワードが一致していないなど、目当てのFAQに到達していないケースが多々あります。こうした当該FAQに到達せずに電話やメールに至ったケースを把握することで、より効果的にウェブFAQを見直すことが出来るようになります。

inspirX5」ではセンター内FAQと、FAQになり得る問合せを候補としてチェックする「FAQ候補フラグ」があり、これらの蓄積情報を活用することで、ウェブFAQに反映させるべき内容が一目瞭然となります。

また類似の機能で「コール削減フラグ」という機能があります。FAQを充実させる本来の目的は、該当する電話の発生を抑制することだと思います。「コール削減フラグ」は、こういった「そもそもこの電話の発生自体をなくすべきだ」という意思を表示する機能です。お客さまとの会話を通じてこうした問題を発見し、ウェブサイト等の改善のヒントを積み重ねていき、本来的に不要な電話を削減していく。こういったこともコンタクトセンターの役割であり、これを支えるシステム機能が必要と言えます。

非対面だけでなく、対面顧客接点でも活用 少し横道にそれましたが、「つながる化」について、もうひとつ、これからのコンタクトセンターシステムに求められるのは、コンタクトセンターの外との「つながり」です。

従来のコンタクトセンターシステムの多くは「コンタクトセンター内部の運営をいかに良くするか」という観点で設計されていました。しかし今後は、コンタクトセンター以外の顧客接点(たとえば店舗や対面営業)とも連携し、企業としてトータルで優れた顧客サービスを提供していくことが重要です。コンタクトセンターシステムも、そうした部門横断的な連携をサポートするものでなければいけません。

具体的にイメージしやすいのが、何らかの用件でお客さまのご自宅を訪問するフィールドサービスとの連携です。

たとえばガス会社の検針サービス、家事代行サービスなどでは、実際に担当者がお客様のご自宅に伺い、修理や掃除をする作業が発生します。そのときに、担当者がその場で専用のタブレットを開き、コンタクトセンターシステムと連動した顧客管理画面に対応履歴や作業結果を入力することができれば、コンタクトセンター側の顧客情報も自動でアップデートされます。

こういった業務において、多くの企業では後でエクセル等に登録された作業結果を手入力したり、CSVファイルで取込んだり、または完全別管理する、といったことが珍しくありません。

タブレットを活用し、作業担当者がその場で顧客情報を更新することで、コンタクトセンターを含む企業としての顧客管理の効率性と品質を格段に高めることができます。

さらに、それらの情報を踏まえてコンタクトセンターから必要書類を発送したり、アフターフォローをするなどのスムーズな連携も可能となり、お客様対応品質の向上にもつながります。


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クライアントパートナリング部 部長 江本 研


また、フィールドサービスのような対面顧客接点で得られた情報は、マーケティングにも活用できます。

たとえば小売業の通販では、宅配業者のスタッフが商品を自宅に届けに行きます。そのときに「この家には小さい子供がいる」といった、お客さんのご自宅に伺ったからこその気付きが得られます。そうした情報が積み重ねられていく中で「このエリアには小さい子供のいる家庭が多い」ことがわかったら、その近隣の店舗で子供向けの商品の陳列を増やすといった施策につなげることができます。

「CRM(Customer Relationship Management)システム=コンタクトセンターシステム」というイメージが強く、従来は「コンタクトセンターでのみ使われるシステム」という印象も強かったですが、いまその用途はコンタクトセンターだけにとどまりません。

店舗や対面営業の現場など、コンタクトセンターの外とも「つながる」ことが、真の「CRMシステム」として、これからのコンタクトセンターシステムに求められる重要な要件なのです。

※本ブログ記事中でご紹介したコールセンターCRM「inspirX 5(インスピーリ ファイブ)」については下記ボタンをクリックいただき、専用フォームよりお問い合わせください。

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