【導入事例】CRMシステムリプレイスで情報入力・確認の工数削減と将来の業務変更に伴う柔軟なカスタマイズを確保/大手音響機器メーカー

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コールセンターの役割が多様化・高度化する中で既存のシステムが業務のボトルネックになる例は少なくありません。特に複数の顧客接点を持つ企業の場合、応対やその後の情報入力の負担が問題になりがちです。こうした問題に対し、CRMのシステムリプレイスで解決を図ろうとする事例が増えています。CRMは顧客情報の蓄積のみならず、外部連携により、従来のシステムに柔軟性と効率性を付与するものでもあるからです。今回は、CRMシステムのリプレイスによって対応工数を削減しつつ、柔軟性の高いシステムを構築した事例を紹介します。 


1. 入力負荷が高くカスタマイズも大変~CRMシステムリプレイスの背景

オーディオ機器の開発・製造・販売を手がける音響機器メーカーB社は、BtoC領域でのオーディオ機器販売と並行し、BtoBでも会議システムやカラオケボックス用の赤外線マイクを提供するなど、幅広い製品ラインナップを強みとしています。また、これら広範な製品群に対する問い合わせを、国内に設置した以下2つのコールセンターで受け付けています。

・コールセンターA:製品の仕様や使い方、パーツ販売、製品の購入前相談など
・コールセンターB:修理やパーツ販売の受け付けなど

2つのコールセンターに寄せられる問い合わせには、テレフォニー基盤(CTI)とCRMを組み合わせたコールセンターシステムにて対応。具体的には、電話もしくはメールで寄せられた内容を受付担当者が対応し、CRMに対応履歴を含めた各種情報を入力するという業務が行われていました。

硬直的で運用負荷が高い旧システム

しかしこの専用システムには以前、いくつかの問題がありました。

・カスタマイズの柔軟性が低く、些細な設定変更のたびに費用と時間を要していた

リプレイス前のB社のコールセンターシステムにはオンプレミス型のCRMが組み込まれており、カスタマイズや設定変更に対する柔軟性は低いものでした。業務で使用するPCのOS更新に伴い、別途改修が必要になったり、些細な設定変更のたびに費用と時間を要していました。

加えて、利便性の面でも問題がありました。費用の関係から頻繁なシステム改修を行うことが難しく、自然と業務をシステムに合わせる流れができていたことが原因です。

・他システム連携や情報検索に難があった

B社ではユーザーがWebフォームから入力した問い合わせをメールに変換し、オペレーターが確認した後に、コールセンターシステムに入力するという業務プロセスを採用していました。コールセンターシステムへの入力は手動で行う必要があり、月単位で見ると数十時間の工数が割かれていました。

また、問い合わせ対応に必要とされる製品情報は、外部システム(SAP ERP)に保管されており、数か月に一度はコールセンターシステムへの入力が必要だったとのことです。この作業に関しても手動入力が中心でした。

さらに対応済みの履歴についても、内容の分類がされない状態で保存されており、後から対応履歴を振り返りたい場合に時間を要していたとのことです。

CRMシステムリプレイスにあたって解決すべき課題

B社ではこれらの状況を踏まえ、CRMシステムのリプレイスを決定しました。CRMシステムのリプレイスにおいて解決すべき課題としては、以下4つが挙げられました。

設定やカスタマイズなどをユーザー側で簡単に行えるようなシステムが欲しい
・他システムとの連携機能を持った拡張性のあるシステムにしたい
・Webフォームとの連携により情報入力の手間を削減したい
メンテナンスにかかる工数の削減のため、クラウド型のソフトウェアにしたい

2. 顧客対応、情報入力の工数減、高度な情報共有と抽出~CRMシステムリプレイス後の効果

こうした課題を解決するために、B社ではバーチャレクスのコールセンターCRM「inspirX(以下、インスピーリ)」を導入しました。インスピーリへの移行後は、次のような効果が確認されています。 

Webフォームとの連携により情報入力・確認の工数削減

B社のコールセンターシステムでは、前述のようにWebフォームから寄せられた問い合わせ内容がメールに変換され、メールの内容に従ってCRMへの情報入力と確認作業が行われていました。インスピーリへの移行後は、この情報入力が手作業からAPI連携による自動入力へと変更され、入力業務の効率化が達成されました。

B社のコールセンターに寄せられる問い合わせは、メール・電話が主流であり、その件数は月間で約2000件に達します。1件あたり1分程度の入力時間が短縮されたと考えても、1日あたり1時間、月単位では30数時間分に相当する工数が削減できる計算です。

対応履歴からの情報抽出と検索、横展開の精度向上

移行前の専用システムでは、対応履歴を記録する場合、内容ベースでの細かな分類ができないという問題がありました。例えば、マイクの不具合報告であれば「ノイズが入る」「ザーザーと音が鳴る」など、内容は似ていても言い回しや表現が異なる報告を検索する場合、ひとつひとつ履歴をさかのぼる必要があったわけです。

インスピーリへの移行後は、これら「表現は異なるが、同種の内容に属する問い合わせ」をカテゴリで分類できるようになったことから、情報検索の時間削減が達成されています。

また、情報検索の手間が軽減されたことで、他部署からの情報提供依頼にも気軽に応じられるようになったとのことです。移行前のコールセンターシステムでは難しかった「顧客からの意見・要望をより具体的かつ的確に共有する」というタスクが遂行可能となり、顧客の声を開発やマーケティングに活かす「VOC活動」をスムーズに進められる体制が確立されました。

外部システムからの製品登録にかかる工数削減

B社では、外部システム(SAP ERP)にて製品情報を管理しているため、専用システムに対して製品情報を手動入力する必要がありました。インスピーリへの移行後は、外部システムから抽出した製品情報を一括で登録できるようになり、入力にかかる工数やチェックの負担が軽減されたとのことです。

3. 柔軟性・コスト・支援のバランスが選定の決め手に

B社にインスピーリの選定理由を伺ったところ、以下4点を挙げていただきました。

カスタマイズ性に優れている

最初の評価ポイントとして、「カスタマイズや設定変更をユーザーが行えること」を挙げていただきました。インスピーリは、ユーザー自身が管理項目を追加でき、ドラッグ&ドロップで表示項目を編集できるなど、セルフカスタマイズ機能が強みのひとつです。旧コールセンターシステムで使われていたCRMでは、些細な設定の追加や変更にかかる費用が問題となっていたため、この点を解決できる柔軟性が評価されたと考えられます。

リプレイスの負担軽減

B社では、CTIとCRMを並行して運用していたことから、2つのシステムに関するリプレイス計画立案と準備に多大な労力を投じていました。具体的には、数年おきにリプレイス計画の立案や費用の算出、社内の承認などが必要だったとのことです。一方、クラウド型CRMであるインスピーリでは、サーバーの保守期限を見越したリプレイスの準備などはほぼ不要です。そのため、担当者の負担が大幅に軽減されたとの評価をいただきました。

伴走型支援

バーチャレクスでは、CRM導入に際して、コールセンター運営に精通した営業担当者が入念にヒアリング・回答を行います。B社からもこの点について、「できる・できないをはっきり回答していただけた」「課題に対してひとつずつ解決策を提案してもらった」といった評価をいただきました。

機能面、コストなど

機能面では、カスタマイズの柔軟性に加えて入力支援機能を評価いただきました。また、クラウド型ならではの初期費用の低さも魅力であったとのことです。クラウド型とオンプレミス型を5~10年スパンで比較すると、実際の費用はそれほど大きな差がありません。しかし、リプレイスにかかる労力やカスタマイズの費用などを含めて試算すると、クラウド型は総合的に優秀であることは事実です。

もうひとつ、プラットフォームとしてAWS(アマゾンウェブサービス)を採用しているという信頼性の高さも選定の理由になったようです。

4. CRMは外部連携によって企業ITのコアになりうる

近年は、CRMを顧客情報管理以外の分野に活用する事例が増えています。今回のB社の事例を見ても、顧客情報を管理する基盤であると同時に、複数のシステムを連結しつつ、コールセンターの価値を向上させるシステムとして活用していることがわかります。

近年のトレンドに目を向けると、以前は企業向けITシステムにおいてバックエンド(会社側)の中心であったERPが、CRMの機能を内包し始めています。つまりCRMは、バックエンド(会社側)とフロントエンド(顧客側)のハブになりうる存在として認知されているのではないでしょうか。特にコールセンター領域では、社内の情報を集約しつつ、電話とメール以外の新たなチャネル確立のために使われる動きが強まっています。こうした状況を俯瞰すると、CRMは社内外に価値を提供する起点であり、今後の企業ITのコアになりうる存在だと言えそうです。

5. まとめ

CRM事例今回は、音響機器メーカーであるB社へのインスピーリ導入事例を紹介しました。近年のコールセンターは、CTIとCRMを接続し、コールセンターシステムを強化、外部システムとの連携を高めることで、生産性と顧客満足度を向上させる事例が増えています。バーチャレクスでは、コールセンター領域のプロフェッショナルとしての強みを活かし、引き続き顧客のビジネスを支える機能を提供していきます。





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