コンタクトセンターの「いま」② ~ヒューマン・マネジメントこそがセンター運営の鍵!

「人材の確保」と「人材の維持」は、どんな企業においても重要なテーマであり、自社でコンタクトセンターを運営している弊社にとってもそれは同じです。

採用が出来ない、採用しても定着しない・・・など、悩みは尽きないと思います。一般的に離職率が高いコールセンターも例外ではありません。良い人材を確保し、働き続けてもらう為にはどうしたら良いのでしょうか?現場で重要な「ヒューマン・マネジメント」のあり方について、弊社BPO部門の平澤卓に伺います。


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ビジネスプロセスアウトソーシング部門
マネージャー 平澤卓


私が以前センター長を務めた子会社のバーチャレクス九州は、アウトソーシングサービスの地方拠点として佐賀センターを運営しています。

ここでは複数のクライアントからコンタクトセンター運用業務を受注し、日々200名以上のスタッフが働いています。クライアントの業種は物流、医療、不動産など多様で、業務内容も受注対応からデータ入力、ウェブサイトの監視業務など多岐にわたります。

こういったコンタクトセンターを含むアウトソーシングサービスを提供する上では、要求品質を維持し現場を安定的に回し続けることが最優先です。

現場を安定的に回し続けるためには、「人材の確保」が重要です。バーチャレクス九州では、現地の大学とネットワークを築き、アルバイト募集に際する説明会を定期的に開き興味関心を高めてもらう、その延長線上で正社員採用も図るなどして、安定的に人材を確保できるよう取り組んでいます。

加えて、人材採用と同じ位重要なのは、採用した後の現場での「ヒューマン・マネジメント」です。

採用以上に重要な現場の「ヒューマン・マネジメント」

ヒューマン・マネジメントというと、たとえばスタッフのパフォーマンスを高めるようなKPIを設定したり、あるいは評価制度を設計したりといった「仕組み作り」をイメージされるかもしれません。もちろんそうした「仕組み作り」も必要不可欠なのですが、それ以上に重要なのはスタッフのモチベーション・マネジメントです。

日々のコミュニケーションを通じて、スタッフ一人ひとりが生き生きと働ける環境を作ること。アナログな話にも思えますが、実際に現場を回していく上ではこれこそが最も大切な成功の「鍵」なのです。

コンタクトセンターで働いている人は、年齢から働く理由まで様々です。「お金には困っていないけど時間があるから」と働きにくる主婦の方もいれば、生活費を稼ぎにきているバンドマンの方もいます。働くモチベーションが異なるスタッフ全員にゴールを示し、目標を共有していくことはとても重要です。

現場スタッフの多様性を理解し、受け入れること

コンタクトセンターで働いたり、マネジメントをした経験がないと、どのような人たちが働いており、どうしたらうまく動いてくれるか、という肌感覚が十分でないことが少なくありません。

モチベーションなんて関係なく「仕事だからちゃんとやるのが当たり前」と考える人もいるでしょう。

しかし、そうした、ある意味で「上から目線」でのマネジメントではスタッフのモチベーションも下がり、それがセンター運営のパフォーマンスに直結するのです。

このあたりの難しさは、なかなか口頭では伝えづらく、実際伝わらないというのが正直なところです。このような背景もあり、弊社ではよく、クライアントに実際にセンターを見に来てもらうことを勧めています。

弊社の佐賀センターの場合、たとえばSVがオペレータに指示を出すときに、立ったまま話さずに座って同じ目線で話をすることを徹底しています。

細かいことですが、こういったことを日常的にやっていくことが極めて重要です。また、電話を取り続けるコンタクトセンターの現場では、スタッフ同士のコミュニケーションが取りにくいこともあり、職場の雰囲気が殺伐としがちです。

佐賀センターではスタッフ全員での懇親会なども定期的に行い、社内のコミュニケーションを促進しています。その場に社長を呼び、如何にオペレータの方々の日々の頑張りが会社に、お客様に貢献しているか、といった感謝を伝えるといった工夫も心がけています。

コンタクトセンター運営を成功に導くのは革新的な技術ではなくヒューマン・マネジメント

コンタクトセンター運営において、革新的なテクノロジーやソリューションがあるに越したことはありません。しかし、それ以前にまずはしっかりヒューマン・マネジメントができていることが成否を分けるといっても過言ではありません。

当たり前の話にも思えますが、日々業務を回すことに手一杯の現場ではないがしろにされがちです。また頭では理解していても、どうすればいいのかがわからないこともあると思います。ヒューマン・マネジメントの重要性を再認識する、まずはここから始めてみることが、センター改善の大きな一歩になるのではないでしょうか。

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