「これからはデジタルマーケティングでLTVの最大化を図るぞ。君が諸々担当してくれ」
ある日上司が突然こんなことを言い出したらどうしますか?
あるいは既に似たようなことを言われて、勉強せねばとあせっている人もいるのでは?そこまで差し迫った状況にある人でなくとも、「最近デジタルマーケティングってよく聞くけど、何のこと?」と気になったりしませんか?どちらの人も共通なのは、「参考書を開いて一から勉強する時間はない!」「何から手をつけていいのかさえ分からない」ということだと思います。
私も、この4月からデジタルマーケティングを学び始めたデジマ入門者です。マーケティングについて学んだ経験は無く、知識はほぼ0からのスタートでした。それでも、記事を読んだりWebで調べてみたりしているうちに、少しずつですがデジタルマーケティングがどのようなものかわかってきました。そこで、これまでに私が学んだことを「デジマが何か、今すぐ知りたい!」という人へ簡単にまとめてみたいと思います。
*読み始める前に
マーケティングでは「セグメンテーション」という言葉をよく用います。セグメンテーションとは、顧客を「共通のニーズを持つグループ」に細分化することです。細分化の際は
Geographic:居住地域、気候、都市化の進展度、行動範囲など
Demographic:年齢、性別、所得、職業など
Psychographic:価値観、ライフスタイル、性格、興味など
Behavior:消費者の行動履歴、製品の使用頻度など
といったデータを用います。デジマでは特にBehaviorの情報が多く収集されます。オンライン上の消費者の購買 / 検索/ 閲覧等の行動履歴を追跡・記録し他のデータと組み合わせることにより、消費者をより細かいセグメントに分けることが可能です。
1. デジタルマーケティングとは?
デジタルデータを用いたマーケティングです。デジタルデータには、PC・スマートホンのWeb閲覧記録やアカウント登録情報、QRコード等のデータが含まれ、これらを利用して製品・サービスを消費者に広めます。ただし、デジタルデータにも再加工しやすいデータ(CSV, Excel)/しにくい(PDF)データがあり、何でも利用できるわけではありません。具体的な手段としてはWebサイトに広告を出す、Eメールでキャンペーンのお知らせを送るなどがあります。
アナログと比べると理解しやすいかもしれません。チラシや新聞、DMやイベントなど実際に目の前にあって触れられるものがアナログで、デジタルはその反対です。
デジタル:Web、SNS、デジタルサイネージ、eメール、QR
アナログ:新聞、紙広告、DM、イベント
2. なぜ関心を集めているのか?
近年デジタルマーケティングに企業が関心を寄せるようになった理由は、大きく分けて2つあります。1つはアナログではできなかったことを可能にするため、もう1つは消費者の購買活動が変化してきたためです。
アナログにできなくてデジタルで可能なのは、
a) マーケティングがどれだけの利益につながったか、効果を数値ではっきり表せる
b)ターゲットにしたセグメントに高い確率でアプローチできる
ということです。
電車の中吊り広告とWeb広告を例にすると、ある会社が新製品の化粧品の広告を女性が通勤で使いそうな路線に載せたとします。1ヶ月後、売り上げには3%の伸びが見られました。しかし、この売り上げは本当に広告のおかげでしょうか?実は、顧客になりうる若い女性は電車内ではスマホに夢中で、広告に気づいたのは中年男性だけだったかもしれません。効果が不明では広告に投じた費用も無駄になってしまいます。
これがWeb広告ならどうでしょう。女性向けファッションの通販サイトなど女性に気づかれやすい掲載場所をピンポイントで選べますし、購入を考えている女性が「化粧品 新発売」のキーワードで検索をかけるタイミングを逃さずに情報を提供できます。さらには、何人の人が広告を見たのか、そのうち何人が広告から購入したのかを測定できます。
製品を買ってくれそうな消費者にアプローチ可能なこと、広告効果が数値でわかることで予算を無駄にしない効率的な戦略・対応が立てられること。これらが、企業がデジタルマーケティングに関心を寄せる理由その1です。
2つ目の理由は"消費者の購買活動が変化してきたため"でした。
突然ですが、質問を1つ。PCやスマホに触れない日はありますか?
Noと答える人がほとんどではないでしょうか。今日私たちがデジタルと接触する時間は一昔前と比べてずっと長くなり、情報収集力も向上しました。そして、多くの消費者がデジタルを利用して、商品の検索・注文・購入といった購買活動をいつでもどこでも行うようになりました。
企業はこうした消費者の傾向に対応すべく、店舗・オンラインストア・カタログ通販・ソーシャルメディアなどあらゆる販路から同じ便利さで買い物ができる環境づくりを勧めています。これをオムニチャネルといいます。オムニチャネルでは、オフラインとオンラインの販路が連携しあうことも一つの重要な要素で、Offline to Online(O2O、O to O)と呼ばれます。難しく聞こえますが"ネットで欲しい商品の検索・注文し、受け取りは最寄りの店舗"や"GPSで近辺にある店を探し、クーポンを手に入れてから来店"など、実は身近なことです。
つまり、消費者が買い物の際店舗に加えてオンラインストアやソーシャルメディアなどを併用することが増えた今だからこそ、そうした新たな販路との相性がよいデジタルマーケティングが製品・サービスを広める最も効率的な方法として注目されているのです。
まとめ
勉強を始めて、馴染みがなさそうに思えたデジタルマーケティングですが、実際はとても身近で行われていたということがわかりました。注目される理由も「確かに!」と思えるものでした。今後は、どうやらデジマにはインバウンド型とアウトバウンド型があるようなのでそのあたりを学び、またわかったことを報告していきたいと思います。