「顧客満足度」ではなく「顧客サプライズ」思考に切り替えよう

surprise.jpg十分質の高いサービスを提供しているつもりなのに、アンケート等を実施してみると顧客からの評価は「普通」や「期待値以下」だったり、なかなか既存顧客のリピート率、満足度向上が実現できていないと感じたことはありませんか?

もはや「最低限度のサービス」ではなかなか満足してもらえません。より顧客を喜ばせ、リピーターになってもらうためには彼らの想定を超えた「サプライズ」が重要なのかもしれません。

顧客満足に関する研究を長年続けているChip R.Bellによれば、

優れた顧客サービスの秘訣は顧客が予想もしていなかったサプライズを与えること

だと言います。顧客が求める最低限のレベルを超えたサービスを提供すれば、多くの顧客を喜ばせることができます。また、想定していなかった「嬉しいサプライズ」を受けた顧客は積極的に体験をシェアすることで、より多くの人に自社の良い印象が広まるでしょう。

Chip R.Bellが掲げた「嬉しいサプライズ」のうち、特に重要だと感じた3つの要素を取り上げたいと思います。

1. サプライズは「潜んでいるもの」

お菓子の中からおまけのおもちゃを見つけた時のささやかな喜びは、誰しもが身に覚えのある体験かと思います。

例えば、よく利用するレンタカーで、前回借りた時と同じラジオ局に設定されていたり、朝ホテルの部屋に届く朝刊がいつも読んでいる新聞社のものだったとしたら、そしてそれらがわざわざ顧客から注文をしなくても実行出来ているとしたらどう感じますか?ほんのひと手間ではありますが、こういった見落としてしまいそうな小さなサプライズが、顧客満足度の向上に効果が高いそうです。

2. 待ち時間を減らす

サービスを受けるために待たされたり、コールセンターのIVRで何度も同じメッセージを聞いたりすることが好きな人はきっといないでしょう。サービスを受ける側も暇ではありませんから、自分にとって最低限のレベルのサービスを提供できないと分かれば、即座に別の企業へ流れてしまいます。

顧客の待ち時間削減と管理は重要な課題です。思い当たる節があるなら、今すぐにでもお役所仕事的なビジネスモデルを顧客中心のプロセスに移行させなければなりません。

これは「大きなサプライズ」とは言えないかもしれませんが、「いつも待たされる」といったネガティブな印象を与えず、手軽にサービスを受けられるように常に配慮されていることは、長い関係を築いていく上でプラスの要素であることは間違いないでしょう。

3. 顧客には特別扱いを心掛ける

ほとんどの人が1年間でとりわけ特別に感じる日は「誕生日」でしょう。周りの人からプレゼントやメッセージを贈られたり、ケーキを焼いて(または買って)もらったり、その日の主役として特別扱いされ、盛大に祝ってもらえます。

特別扱いを受けたいと望むのは顧客も同じです。但し、顧客はそれを1年に1度ではなく、もっと高い頻度で企業に期待してきます。企業が毎回の取引で顧客を誕生日の主役のごとく扱うことを意識すれば、常に顧客を感動させ、喜ばせるための画期的な方法を見つけられる可能性が高まるででしょう。

いかに顧客に対して気を配っているかをアピールする企業は多くいますが、それに見合うだけのサービスを提供できていなければ、ただ評判を下げるだけに終わるでしょう。(皆さんの頭の中にも、きっと身の回りにいるそういった企業が思い浮かぶことでしょう。)

大切なのは顧客目線に立って要求と期待を先読みし、それらをただ満たすだけでなくプラスアルファの配慮を加えた、顧客があっ!と驚くような良質なサービスを提供することです。

ただ顧客の満足度向上を求めるのではなく、その上の「喜び」に貢献できるようなサービスを考え、提供していきましょう。

※ 本記事はForget Customer Satisfaction.Think Customer Surprise を参考に、修正&加筆したものです。

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